折り返し

 

今年も上半期がすでに終わっている。
「もう今年もいつの間にか半分過ぎた」とか
「一年過ぎるのあっという間」とか、
時の流れの速さを嘆くのは、大人の口癖のようなもので、
小学生の頃、あれほど遅かった時計の針の動きが嘘のように、
大人になると、日めくりカレンダーが次々に破られていく。

子どもより大人の方が時の流れを速く感じる。
そのことに対する説明で、これまで一番ピンときたのは、
「生きてきた時間の長さが、1年の分母になるから」というものだった。
8歳にとっての1年は、1/8にすぎないが、
40歳にとっての1年は、1/40だ。
分子が1年でも1週間でも1日でも、
分母が小さければ小さいほど、値は大きくなり、
分母が大きければ大きいほど、値は小さくなる。
つまり、40歳の感じる1年(1/4=0.025)は、
8歳の感じる1年(1/8=0.125)とは、重みが違うのだ。
そう考えると、8歳の頃感じていた時の遅さも納得できるし、
今感じる、時の速さも納得できる。
じゃあ、これから10年、20年後、
時は、もっともっと速くなっていくのだろうか。

僕らは、平均寿命が80歳だと言われると、
なんとなく80歳まで生きられるのだろうと思い、
40歳くらいを「そろそろ折り返しかあ」と思ったりするのだけど、
実年齢ではなく、時の感じ方で測ってみると、
折り返しは40歳ではない。
1歳が1/1で、2歳が1/2で、3歳が1/3で・・・と、
80歳の1/80まで足した値の折り返し地点を計算してみると、
なんと、80年人生の折り返し年齢は・・・
6歳なのだ・・・。
は、早っ!
僕らは、すでに、6歳で折り返している。
小学校に入った時点で、人生の半分をすでに終えていたのだ。
なんという豊穣な幼児期!
なんという長い後半戦!
スタジオジブリの宮崎監督は、子ども時代こそが人生の「主」であり、
「大人は子ども時代の黄昏」だという旨のことを言っていたが、
6歳で人生を折り返し、10代で人生の3/4を終えてしまう僕たちの大人期は、
本当に、ただの黄昏期(おまけ)なのかもしれない。
それにしても人生って早めに折り返してるものなんだなあ・・・。
前半戦のこと、ほとんど記憶にないぜ。