日本のバレンタインデー

 

今年のバレンタインデーに、
社内での義理チョコを禁止にした会社がいくつもあったらしい。
都会の女性陣は「義理チョコなんて、金もかかるし面倒だ」
と思いはじめている。
てえへんだ。
信頼関係は、
「贈る/贈られる」の交通量が増えれば増えるほど強くなっていく側面があるのに、
面倒だからってだけでやめてしまったら、
本当に、同僚や上司は、会社だけの、雇用だけの関係になる。
それは、双方にとって、よくない結果を生んでしまう。
女性陣よ、まだ、”義理チョコ”を面倒がるのは、早い。

そもそも何故、日本は女が男にチョコを渡すのだろう。
バレンタイン文化を日本に伝えたアメリカでは、
なんだかんだで、「男から女」に渡すことになっている。
日本からバレンタイン文化が伝わったと言われている韓国を除いて、
「女から男」に渡すのが当たり前の国は、日本だけだ。
なぜ、日本だけ「女から男」なのか。

クリスマスや恵方巻きなどのイベントの例に漏れず、
バレンタインも商業店の仕掛けで広まったらしく、
女性運動の機運が高まる中で、
「恋も、女から積極的に!」と女性に向けて張ったキャンペーンが当たったらしい。
年に一度くらいは、女性が堂々とアプローチできる日を。
女性からグイグイいくことが好まれない、
恥じらいの国のイベントとしてはいい是正制度だったと、僕は思う。
それほど、この国では、常に女性をおしとやかにさせたがる。

僕は女ではないのでわからないが、
多分、日本の女の人の中には、
自分から積極的にアプローチできないもどかしさを感じている人がけっこういる。
「男に生まれ変わったら、何がしたい?」という質問で、
「ナンパ」と答えた女性を、僕は何人か見たことがある(テレビで)。
「男は、ナンパできていいなあ」と、
普段できない女性は、心のなかで思っているのだ。
それなのに、男は、たいしてナンパをしていない。
「男に生まれ変わったら、殴り合いの喧嘩をしたい」と答えた女性も、僕は見たことがある(テレビで)。

それなのに、男は、たいして殴り合いの喧嘩をしていない。
女は、気軽にナンパできる男をいいなあと思い、
気軽に殴り合いのできる男をいいなあと思い、

年中、好きな人に告白できる男っていいなあと思っているにもかかわらず、
世の中には、ナンパしない男が大勢いて、
好きな人に告白しない男が大勢いるのだ。
「もったいない!」
年に一度しかチャンスがない女性陣は、そう思っているのかもしれない。
そう思うと、バレンタインデーは、今、転換期だ。
女性運動の機運が高まった時代には、
バレンタインデーが女性にチャンスを与えたのかもしれないが、
今、バレンタインデーに求められているのは、
男性に「告白してもいいんだよ」という口実を与える役割なのかもしれない。
それほど、世の男性は積極的でなくなっている。
近いうち、世界で唯一「女から男」へ渡していた日本のバレンタインデーも、
「男から女」へ渡す、世界基準のバレンタインデーに変わるのかもしれない。