熱烈歓迎

仕事でタイに行った。
日本の高校生を連れて、タイの北東部にある大学と高校を訪問。
あまり地理を調べずに行ったので、
タイの北東部がどのくらいの北東部かわからなかったが、
日本人があまり住んでいない地域らしく、
予想以上に熱烈な歓迎を受けた。
ここ10年でインターネットに乗って、日本文化はアジア各国に広がり、
タイでも中学・高校から日本語を第二外国語として習う人が多いらしいが、
実際に、街に日本人が多くいるわけではないので、
自分で日本に観光に出かけないかぎり、日本人に会うこともない。
大学で日本語を学んでいる大学生は、
ここぞとばかりに、普段溜め込んだ日本語の知識を
日本の高校生相手に試しているようだった。
日本語を習っているのに使う機会がないだなんて寂しいことだと思ったが、
状況としては、
まちに一人の西洋人も見当たらない日本の田舎と大して変わらないなとも思った。

タイで熱烈な歓迎を受けた日本の高校生は、
すっかりタイを気に入ってしまい、
「タイの大学に行こうかな」と言いだす生徒までいた。
(タイ料理の辛さには2日で辟易していたけど)
アジアの国の人たちが日本のことを好いてくれて、
熱烈に歓迎してくれるのはありがたいことだったが、
あまりの歓迎ぶりに、少々不安にもなった。

世界中でこんなに日本人を歓迎してくれる土地は、そんなに多くない。
日本に興味ない国や日本人が多くいる国では、日本人なんて見向きもされないし、
英語が母国語の国では、タイ人のようにゆっくり英語を話してることもない。
ヨーロッパに行けば、アジア人というだけで軽く扱われることもあるし、
体格が劣り、顔が薄いというだけで、自分から縮こまってしまうこともある。
これまで海外に出て、どちらかというと、
そういうマイナスの経験の方が多かった自分としては、
初めての海外で「熱烈歓迎」を受けるということが、
どれほどいいことなのかはよくわからなかった。
イギリスやドイツなどヨーロッパの高校に行って、
大した関心も払われずに、表面上だけの交流をするよりは、
日本人というだけで、色んな質問をしてくるタイの熱烈歓迎の方がいいような気もするが、
相手から軽くあしらわれることによって生まれる反骨心ってのもあるもんで、
どちらがいいということは、一概にはいえない。
でも、多分、これまで、その「反骨心」をもとに海外で頑張った日本人たちの結果が、
今の、世界で愛されるクールジャパンなのだろうから、
今の子どもたちは、この成果をありがたく受け取っていいような気もする。
一カ国目が「熱烈歓迎」だった子は、
二カ国目は「塩対応」の国に行って欲しい。
しっかりと、両方を見て欲しい。