非言語コミュニケーションツール

 

「ボぉぉぉー」
校庭に向かってオーボエを吹いている高校生がいる。
楽器ができるっていいね。
知らない人とセッションできるし、
言葉が通じなくても、楽器でコミュニケートできる。
作家のムツゴロウさんは、何匹もの動物の鳴き真似ができるので、
世界中どこに行っても、現地の動物の声帯模写や形態模写でもって、
現地人と仲良くなる。
声(声楽)という身体楽器を持ってる人は、
楽器を持っていなくても、悠々と国籍を超えていける。
そういう「非言語コミュニケーションツール」を持っている人は強い。

言葉に頼らずに外国の人と仲良くなれるツールといえば、
スポーツも、その一つ。
サッカーボールを蹴るのが上手ければ、
現地の言葉がしゃべれなくても、世界中の少年たちと心を通わせることができる。
英語ができるよりもサッカーができるほうが、
仲間の輪に簡単に入れてもらえることもある。
スポーツも、「非言語のコミュニケーションツール」。

完全な非言語ではないけど、下ネタも、「非言語仲良しツール」。
女性はどうだか知らないが、男は、これでぐっと相手との距離を詰めている。
下ネタは言葉も使うが、言葉というより、
下品さや異性へのまなざしを共有することで、仲良くなる。
下品さは、国境を超えていく。
世界中の男子共通の「非言語コミュニケーションツール」。

小学生の頃、友達と仲良くなる「ツール」は、
「サッカー」だったり「どろけい」だったりした。
それがだんだんと「カラオケ」や「ボーリング」になって、
大人になると、「カフェでおしゃべりする」とか「飲み屋で語らう」とか、
「話すこと」でしか、分かり合えなくなってしまう。
大人の中には、「ゴルフ」をしたり、「音楽」を一緒に聞きに行ったりする人もいるけど、
結局、仲良くなれるのは、そのプレー(鑑賞)後の、
食事の席での「おしゃべり」だったりする。
大人になればなるほど、言葉に頼って、
だんだんと、「非言語コミュニケーション能力」は落ちていく。
それは生き物としての能力低下を意味する。
言葉に頼れば頼るほど、その世界以外で生きていける範囲は狭まる。

先週、NASAは、土星と木星の衛生に地球外生命が存在できる証拠を見つけたと発表した。
地球外生命との接触もいよいよか。
その時、地球人と宇宙人、お互いが話せる言葉は、たぶん、ない。
求められるのは「非言語コミュニケーション能力」。
その地球外生命の星にいる生物の声帯模写や形態模写をして喜ばれたり、
その地球外生命の男子が共感できるような下ネタで一緒に笑わせられるような、
これからの「宇宙時代」に求められるのは、たぶん、そういう能力。