10/17 聞かぬは末代までの恥

「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という言い方がある。
英語では
Asking makes one appear foolish,
but not asking makes one foolish indeed.
(聞くと愚か者にみえるが、聞かないと本当に愚か者になる)
という言い方らしい。

近頃はなんでもウェブで調べれば出てくるので
わからないことを人に聞くことが極端に減った。
街で道に迷っても、時間が知りたくても、
すぐに人に話しかけなくなった。
「スマホ見ろよ」
そう言われそうで・・・。

何かの対談本の中で、
最近の若い親は民間療法をなにも知らないという
話になり、
若いお母さんがドラッグストアで

「あの、白湯(しろゆ)って売ってますか?」
と、尋ねてしまった話が載っていた。

若いお母さんは、白湯を「しろゆ」と読んでしまったわけだけど、
白湯(さゆ)を知らない人だって、そりゃあ、いるだろう。

白湯自体は知ってても、漢字を知らなかっただけかもしれないし。
誰だって最初は白湯なんて知らないのだ。
人が知らなかったことを、馬鹿にしてはいけない。
(おばさん達は馬鹿にするというか嘆いていたわけだけど)
そんなことで、人を馬鹿にしていると、
現代人は、ますますウィキにSiriに聞いて、人に聞かなくなってしまう。

確かにスマホは人よりも知識量があるし、
「白湯」に関して色んなことを教えてくれるが、
ウェブの中の知識には温度がない。
それに比べて、現実の人の言葉には、温度がある。
「あの、白湯(しろゆ)って売ってますか?」
そう聞かれたドラッグストアのおばちゃんは、
「あぁ、それな、さゆ言うてなぁ、冷ましたお湯のことやねん。
 ええねんええねん、誰にだって読み間違いはあんねん。
 おばちゃんかてな、こないだまで外科を「がいか」って読んどってん。
そんなもんやねん。

 赤ちゃん熱でたんか?そうか。帰って、白湯飲ましたり。
 じきようなるやろ。
な。心配せんでええ、ええ」

そう、やさしく、言ってくれるかもしれない。
ぬくもりのある関西弁で、若いお母さんの不安を和らげてくれるかもしれない。

って、ないか。そんなの。

ないな。
むかしの薬局のおばちゃんならいざしらず、
ドラッグストアでは、そんなこと言ってくれるわけないわな。
白湯(しろゆ)言うたら、笑われるだけやな。
そら皆、スマホで調べるようになるわな。
人に聞かんくなるわな。
現実は、悲しいわな。