10/7 井の頭公園

吉祥寺には井の頭公園がある。
池があって、木が茂っていて、お地蔵さんもいる。
いい公園だ。

都会の人は、公園を重視する。
世界の住みたい街ランキングでは必ず、
公園の数や街に占める緑の割合なんてのが出る。
いい公園がある街ほど、いい街。
それは、時に、滑稽だなと思う。
田舎に行けば、緑なんて山ほどある。
都会の人が口にする「マイナスイオン」なんて言葉も、
口にしなくていいくらいのイオンを田舎では感じられる。
散々、緑を削って、人工物で囲んだ街に住み、
わずかに残った緑の多さを競って、
緑に囲まれた公園だの、憩いの場が多いだの、
一位だの二位だのと喜んでいる。
滑稽だ。
だが、結構だ。

結構、結構、コケコッコー!
とドン・ガバチョは飛びながら叫んでいたが、
自然を人工化していくのは、人間の歴史でもある。
特に日本は庭園をみてもわかるように、
人工化した自然を愛でる文化が長い。
茶道なんか「市中の山居」とうたって
本来山の中に建てるべき隠遁のための庵を街なかに建て、
喧騒の中で閑寂を味わうという錯綜した感覚を
「侘び」だとして喜んできた。
街なかに公園があることを喜ぶのも当然だ。

今日も吉祥寺の「市中の山居」では
カップルがアヒルのボートを楽しそうに漕いでいる。
ボートに乗ったカップルは別れるなんてジンクスもなんのその。
池にはでっかいアヒルが一羽、二羽、三羽、浮かんでいる。
滑稽な光景だが、結構なことだ。
癒やしが必要な都会の街に、公園は欠かせない。