11/1 ワンダーとシンパシー

短歌人の穂村弘がこんなことを言っていた。

 表現には「共感=シンパシー」と「驚異=ワンダー」が
 あって、詩や音楽の本質はワンダーだと思うんだけど、
 今は圧倒的にシンパシーの時代ですよね。

よくわかる。
今は、未知なるものへの好奇心ではなくて、
「あるある」ネタに代表されるような、
『わかる』が重宝される。
自分の知らない世界が広がっていることに、
ワクワクするのではなく、不安を感じている。
これは恋愛でも言われていることで、30年前くらいまでは、
恋愛は自分にないものを持っている異性への好奇心だったのが
最近はもっぱら、自分を理解してくれる異性への好意に
変わってしまっている。
圧倒的に、「共感=シンパシー」優勢。

それに似たような話がある。
以前、僕にイチオシのイベントを薦めてくる人がいて、
「これ、絶対面白いから!絶対、行った方がいいよ!」
と押してくるのだが、全然興味が持てないので、
「それは、すげえつまらなそうですね」と言うと、
姉が「こいつの『面白い』は、funじゃなくてinterestingだから」
とフォローしていた。
僕の「面白い」は、「fun」じゃなくて「interesting」。
あまり勉強してなかった割に、中々いいことを言う。

「面白さ」を「fun」じゃなくて、「interesting」に見出す。
「面白さ」を「interesting」、つまり「をかし」にしか感じない。
そういう人は、やっぱり、「驚異=ワンダー」人間だ。
未知なるものに、ワクワクしている。
自分の知らないことにワクワクしている。
なるほど。
短歌人と姉がつながったおかげで、
自分が時代に乗れていないってことが、よくわかりました。
今は、圧倒的に、「共感=シンパシー」優勢だ。
「驚異=ワンダー」人間の気持ちを共感してもらえることは少ない。
ああ、この気持ち、誰かに共感してほしいなあ。
でも、この気持ち、誰も共感してくれないだろうなあ。
「驚異=ワンダー」人間は、自分がワンダーすることにしか
興味ないからなあ・・・。