12/22 スポーツ選手の扱い方

スポーツ選手がインタビュアーにネタを振られている。
バラエティ番組でもないのに、
テレビ局側がスポーツ選手に変なポーズをさせたり、
芸人のネタを振ったりする敬意のなさに、腹が立つ。
欧米では、もっとスポーツ選手はリスペクトされている。
アスリートは、タレントではない。
メディアは、スポーツ選手の扱い方を間違えている。

スポーツ選手とは逆に、芸人の地位は、ここ十年でだいぶ上がった。
以前は「芸人ごときが」と、軽く扱われていた人たちが、
まっとうなタレント扱いされている。
コメンテーターとして、まっとうな意見を求められ、
まともな大人側の発言をしている。
それは、本当に、芸人が望んだことだろうか。
社会の「下」に位置づけられることで、社会を風刺し、
社会の「外」にいることで、内側の人が笑えない部分も笑いに変えていた人たちを、
まっとうな大人扱いするのは、
ある意味、営業妨害なんじゃないだろうか。
芸人が笑いにできる幅がどんどん減っている気がする。
メディアは、芸人の扱い方も間違えている。

女優やアイドルが以前のように手の届かない存在ではなくなって、
親しみのある存在になったように、
世間に軽く扱われていた芸人も、まっとうな存在として扱われるようになった。
上にいた人を引き下げて、
下にいた人を無理やり引き上げた。
世間の枠外だった「芸能」界を、世間の内側に入れて、
スポーツ選手も、タレントも、芸人も、政治家も、
カメラの前に立つ人を、すべて世間の人と同じように扱うことにした。

でも、スポーツ選手は普通の人と違う考え方をしているからスポーツ選手なのだ。
毎日毎日、自分の記録を塗り替えるために、ただ泳ぎ続けるなんて、正気じゃない。
芸人も、普通の人とは違う視点を持っているから芸人なのだ。
人を笑わすためなら、股間も肛門もカメラにさらけ出せるなんて、正気じゃない。
スポーツ選手も芸人も正気じゃないが、
それは、違う「正気じゃなさ」だ。

それぞれ、違う世界で生きているのだ。
一緒くたに扱わないでほしい。
スポーツ選手が雑に扱われるのが気に食わないのは、
スポーツ選手に対するリスペクトがないからというより、
他人は自分とは違う世界に生きているのかもしれないという疑いを、
微塵も持っていないように見えるからかもしれない。