1/24 ダンス必修化

現在の中学校では、ダンスが必修だという。
創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンス(ヒップホップのこと)
の三つから一つを選ぶらしいが、
自分が中学生の時、女子がやっている創作ダンスを横目で見ていた僕は、
今、中学生じゃなくて本当によかったと、胸をなでおろす。

思春期に、自分たちで考えた踊りを、人前で踊るなんて、拷問だ。
読書感想文の県入選作品が新聞にのるように、
上手い人の創作ダンスが人に見られるのはいい。
ただ、下手くそな読書感想文を人目に晒されるのが罰ゲームであるように、
下手くそなダンスを人前で踊らせるのは、拷問だ。
自己表現は、やりたい人だけ、やればいい。

中学生が数学で自己表現をしようと思うことがないのは、
誰も、数学を、自己表現の道具だと思っていないからだ。
実際、中学生が学ぶ数学に自己表現の余地はまったくないのだが、
大学の数学科を出て、数学者にでもなれば、
その人なりの「独創性」が入り込む余地は、数学にも、生まれる。
でも、それは、基本を積み上げた後の話だ。
中学生の段階では、歴代の数学者が積み上げたものをなぞるだけで精一杯だし、
そこを通らなければ、後の「独創性」につながる可能性は出てこない。
ダンスも、基本的には、同じだと思う。
表現をする前の積み重ねができていない状態で、
自己表現させるのは、酷。非道い。
少なくとも、僕が中学生なら、そう思う。

ダンスは、数学と違って、本来、多くの人が楽しいと思えるものだ。
16世紀の数学者が導き出した数式に震える中学生は少ないけれど、
江戸時代にみんなが踊っていたリズムで楽しくなる中学生は、
多分、たくさんいる。
「自分なりのダンス」を踊るのではなく、
「これまでのダンス」をなぞるだけでも、十分、楽しい。
ダンスも、中学生には、「詰め込み」教育でいいと思う。

ダンスが学校で必修化され、
ヒップホップが積極的に取り入れられているということは、
行政は、みんなが踊ることを後押ししているのかもしれない。
しかし、この間まで、
「客を許可なく踊らせた」として、多くのクラブを、
風営法で取締まり、廃業に追い込んでもいた。
(2016年、改正)
行政は、みんなに踊って欲しいのか、
それとも踊って欲しくないのか、よくわからない。
まあ、でも、「餅」や「火」に関しても以前書いたように、
「踊り」も、基本の部分は、行政の管轄ではない。
「行政」ができるよりはるか昔に、人は歌い、踊っていた。
「踊ること」を禁止したり、必修にして強制することは、
基本的には、してはいけないと、僕は思う。