1/27 裏まで見せる

ツイッター社が身売りするという話がなかなか消えない。
あれだけトランプ大統領がツイートを頑張っても、
なかなか事業の赤字額が減らないようだ。
合衆国大統領から日本の田舎の中学生まで、
世界中のあらゆる人がつぶやいているツイッターだが、
使いどころがわからないので、
まだ、僕は、つぶやいたことがない。

なんでも自由に発信できるこのツールは、
表舞台では見せない、みんなの裏の顔を、どんどん教えてくれる。
ツイッターなんてものがなかった頃、
僕らは、人の表舞台しか見ることができなかった。
裏側は見せるものではないという意識は皆、一様に高く、
有名人は、表のイメージを守ることに神経を尖らせた。
小学校の図書館にあったスポーツ選手の本の中で、
「プロは、絶対に努力している裏舞台を見せてはいけない」
と、スーパースター・長嶋茂雄は言っていた。
子どもの憧れる存在であるはずのスターやヒーローが、
ツイッターで、裏側を見せてしまってもいいのだろうか。
かっこいい表の姿だけ見せるのが、スターなのではないのだろうか。
昭和の古い人間である僕は、
努力している裏側を公開してしまってどうする、と思ってしまう。

ツイッター始め、インターネットは、
表だけでなく、裏まで、すべてを公開してしまう。
結果だけでなくプロセスも、すべて。
そのことで、虚像は壊れ、有名人は手の届く存在になり、
完全無欠のスーパースターはいなくなってしまった。
(イチローにスター感があるのは、多分、自前メディアを持っていないからだ)

ただ、プロセスを公開してしまうインターネットは、利点も生み出した。
「誰かが行ったチャレンジをシェアできる」ということだ。
インターネット上に、結果だけでなく、プロセスまで公開されることで、
誰かが行ったトライ&エラーはウェブ上に残り、
後からチャレンジする人は、
顔も知らない他人のチャレンジを参考にできるようになった。
インターネットは、
この世にはチャレンジした人がたくさんいて、
それと同じくらい、失敗した人もたくさんいるという
事実を明るみに出してくれた。

多くの有名人は、ツイッターで、その人の裏側を伝えてくるが、
本当のスターは、ツイッターで、努力なんて伝えてこない。
田中のマー君がツイッターを持ったことで、
彼が、アイドルヲタクで競馬好きだということは知れ渡ったが、
そのことで、彼が努力を怠っていると思う人は、いない。
それに、彼がどれほど努力しているかは、
もしツイッターで努力の跡を見せてきたとしても、
本当のところ、誰にもわからない。
ツイッターによって、完全無欠のスーパースターはいなくなったが、
ツイッターをもってしても、スターが裏でどれほど努力しているかは、
伝わらない。
ツイッターができても、裏は裏、表は表。
結果はいつも、表でしか見せつけることができないのだ。