3/14 風邪で弱ってる人への嫌がらせ

朝から体がだるい。
どうやら風邪をひいちまったらしい。
首あたりの鈍痛がとまらない。
悪寒もする。
思考がまわらない。
何も考えられない。
同僚は、僕の体調を察知したようで、
さっきから薬を飲め飲めと言ってくる。
「早めのバファリンだよ。
こんな時は、早めのバファリン 」
早めがいいのは、パブロンだ。
「それは、パブロンだろ!
  バファリンは、『胃に優しく、早く効く』だよ!」
言ってやりたいが、指摘する気力もなく、
ぐったり机に突っ伏す。

普段から、薬は飲まないことにしている。
薬は本当に大事な時に効くようにとっておいているので、
こんな平素の風邪くらいで飲むわけにはいかない。
薬を遠慮して、開かない口でりんごをかじって、
バナナを頬張り、 ポカリスエットを体に流しこみ、
うなだれてると、また同僚がやってくる。
「痛みに負けルナ」
気分が悪い時の悪ノリほど、気分を害すものはない。
「痛みに負けルナ」
ハエを払うように、左手で追い払う。
ちらっと同僚達の方を見ると、
別の同僚とウェブで風邪薬のCMを
youtubeで漁っているようだ。
うっすら遠くで、
「熱、ノド、鼻に、ルルが効くぅ〜」と聞こえる。

体調が良くなったら、絶対に、仕返ししてやる。
そう思うものの、頭がボォーとして意識がはっきりしない。
首に巻いたマフラーに首をすくめてると、
また、奴がやってくる。
「あなたの風邪はどこから?」
うるさい。
「あなたの風邪は、どこから?」
ほんとに、うざったいやつだ。
人の不調を楽しんでやがる。
だけど、こいつらは、
怒って止まるようなやつらではない。
「あなたの風邪は、どこから?」
「ノドから」
しゃがれ声で乗ってやる。
「ノドにはやっぱり、銀のベンザ!」
・・・。
「あなた〜の風邪に狙〜いを決めて、ベンザ、ブロック〜!」
・・・。
「タイプに合わせて、早く、治そ!」
・・・。
「タイプに合わせて、早く、治そ!」

治ったら、10倍返しで、仕返ししてやる。
だが、今は、何もできない。考えられない。
消え入りそうな声で言う。
「お前ら、人が弱ってんのが、そんなに、楽しいか」
「ポンピィン〜♪」
・・・。
「ポンピィン〜♪」
やっぱり、治ったら、100倍返しだ。