3/20 人の話を上手に聞けた昔の人

「あの人に会いたい」というNHKの10分番組があった。
もしかしたら、今もやっているのかもしれない。
NHKの過去のインタビューを編集した番組で、
昭和の有名人がわんさか出てくる。
手塚治虫やら松下幸之助やら。
桂米朝やら高田渡やら。
石垣りんやら宇沢弘文やら。

そこに出てくる著名人の発言には、
今は忘れ去られた昭和の価値観や考え方があり、
考えさせられることが多いのだけれど、
それと同じくらい、
そこでインタビューをするNHKのアナウンサーの
黒子ぶりに驚くことが多い。

ほうほう。
ええ、ええ。
はいはい。
はあはあはあ。
へえへえへえ。
そうですなあ。
なるほどねえ。

相槌を打ったり、
合いの手を入れたりするのが、
まったく邪魔にならない。
餅つきの返し手のように、
どんな発言にも
ヨッヨッっと、調子の取れた
合いの手を入れていく。
まったく自分を主張しない合いの手。

今の若者はほぼ、あの合いの手ができないだろう。
今の日本人は、相槌にもパーソナリティが乗っかっている。
個を消した「ほうほう」が言えない。
調子だけの「へえへえ」が言えない。
それがいいことなのかどうかはわからないけれど、
みんなが餅の「つき手」になってる今、
いい「返し手」が重宝されるのは、間違いない。
「人の話が聞ける」ってのは能力だよね。