3/29 いつも裸足の先生(1)

小学生の頃、いつも裸足の先生がいた。
校長、教頭に次ぐNo.3で、
生徒に小言を言っては、煙たがられていた。
役職はなんというか忘れたが、
生徒の目付役のような存在で、
細かいことをネチネチという人だったので、皆、
とにかく校内で鉢合わせしないように気をつけていた。
ただでさえ生徒からの評判が悪いのにいつも裸足なので、
子どもたちは陰で、
変なアダ名をつけたり似顔絵を書いたりして
憂さを晴らしていた。

その先生は年に二度、卒業式と入学式だけは
必ず真新しいソックスを履いた。
保護者と式に対する礼儀としてだろうが、
ソックスなど履きなれていない先生の歩き方は
ぎこちなくて、面白かった。
そのことが、子どもにはあまりにおかしかったのだろう。
式の最中、列の後ろから伝言が回ってくる。
「○○(先生)今日はおニューのソックス履いとるぞ」
子どもにとって先生の正装は格好のネタなので、
僕もちゃんと列の前に伝言を回した。
「○○(先生)プーマのおニューのソックス履いとるぞ」
伝言ゲームは、ちょっとずつ尾ひれをつけながら、
列の先頭まで伝わっていった。
(つづく)