3/3 踊る

コンピューターは、賢い。
検索も計算も連絡もスケジュール管理も瞬時にやってくれる、優れものだ。
コンピューターがなければ僕らの今の生活は成り立たないと言っても過言ではない。
ただ、人間の能力をゆうに超えるコンピューターに、たまにはひどくがっかりすることがある。

先日、友達とLINEで話していると、昔見たドラマの話になり、
「ケイゾク」「白線流し」などから「踊る大捜査線」の話に移った。

僕は当時、シナリオ本を買うくらいに「踊る大捜査線」が好きだったので、
ここぞとばかりに、親指を動かして、求められてもいない細かい情報を打った。
「和久さん(いかりや長介)が、ドラマの中で「だめだこりゃ」って言うシーンがあるんだけどさ、
 それは、二人の監督が、いかりやさんにドリフのセリフを言わせようと勝負してたからなんだよ」とか、
「真下の役やってたユースケ・サンタマリアは当時、
 『ビンゴボンゴ』っていうラテンバンドのボーカルやってて、
 俳優としてはほとんど無名だったんだよ」
友達は「踊る大捜査線」自体はなんとなく見ていたらしいのだが、
そんな細かい情報は知らないし、興味もないので、適当に絵文字で相槌をうっていたのだが、
「ユースケ・サンタマリアが好きだった女の人いたよね」と少し興味を見せてくれたので、
「ああ、雪乃さんね」
と返し、
「青島(織田裕二)が担当した事件の被害者だったんだけど、

 後で刑事になるんだよ。水飲み器がやってた人でしょ」
と続けた瞬間、親指が止まってしまった。
み、水飲み器!?

もちろん「水野美紀」のことだが、その誤変換に驚いた。
それまでずっと、「踊る大捜査線」の話をしていて、
いかりや長介、ユースケ・サンタマリア、織田裕二ときた流れで、
”水野美紀”を”水飲み器”と変換してくるなんて、変換精度
どうなってんだよ!?
コンピューターって、まだまだだなあ、しみじみ思う。
「踊る大捜査線」の話の流れで、「み」と打ったら、当然「水野美紀」だし、
「ふ」と打ったら、「深津絵里(すみれさん)」に決まっている。
「スリー」と打ったら、「スリーアミーゴス」だし、
「どうして」と打ったら、「現場に血が流れるんだ!」に決まっているじゃないか。
なんのためにネット上に膨大な「踊る大捜査線」のデータを載せてるんだよ。
コンピューターには、ちゃんと、勉強しなおしてきて、ほしい。