4/7 好きなものがわかりやすい服装

街なかに、全身赤い服に身を包んだ人がいる。
シャツもパンツもスニーカーまで全部、赤だ。
変人かな。
そう思って視線をずらすと、そこには
全身黄色い服に身を包んだ人がいた。
あぁ、変人か。
いや、違うな。
ももクロのライブだ。
ももいろクローバーZという五人組のアイドルグループは、
メンバーそれぞれに決まったカラーがあって、
ファンの人たち(通称もののふ)は、
そのカラーを身にまとって、ライブに行く。
遠くからみても、認識しやすいその格好は、
一目で、彼らが誰を推しているか、はっきりわかる。

はたから見て、何が好きかわかりやすいのは、いいことだ。
赤のメンバーが好きなら、赤を着た人に話しかければいい。
緑のメンバーが嫌いなら、緑を来た人に話しかけなければいい。
普段の社会でも、みんなの好きなものが
これくらいわかりやすければいいのに。
不倫が好きな人は、白い服を着ている、とか。
W不倫が好きな人は紫の服を着ている、とか。
相手の好きなものがわかれば、
近づいたり遠ざかったりできる。

だけど、もし、自分がももクロの赤のメンバーを
推しているとしても、
赤を着てるファンなら誰でも声をかけるわけではない。
赤い鼻ピアスしたファンには話かけないだろうし、
赤いカラーコンタクトしたファンにも話しかけないだろう。
赤い鼻ピアスやコンタクトをしている人に嫌悪感はないが、
すぐに打ち解ける気は、まったくしない。

そう思うと、全身赤を着ていなくても、
外見や服装は、結構、
その人が何が好きなのかを主張している。
お金が好きな人は、ごつい腕時計をしているし、
自分の筋肉が好きな人は、タンクトップを着ている。
誰に近づいてほしくて、誰に遠ざかってほしいのか、
その人は、声高に主張しているのかもしれない。
だから、不倫が好きな人も、
たぶん特定の格好をしているのだろう。
結婚指輪の付け方が違うとか、
ベルトの位置が低いとか、
何かしらあるはずだ。
僕には同じように見えることでも、
見る人が見れば、わかるものがあるのだろう。