5/24 歌を少しずつかじる

留学していたことがある。
当時はyoutubeもなく、音楽はMDで聴いていたので、
持てる限りのMDを日本から持ち込み何度も聞き回していた。
ただ、何度も聞いていると曲の感動がなくなるので、
ここぞという時に曲の良さが体に入ってくるように、
どんなに聞きたくても1日1回しか聞かないように心がけていた。
そんな小さな心がけは、
スマホでどんどん新曲が聴ける今となっては、
遠い昔の話しすぎて、あるあるにもならないが、
当時、同じ時期に留学した女子は強く共感してくれた。

彼女は、留学先に向かう空港でたまたま買った「りぼん」を、
ホームステイ先で何度も何度も繰り返し読み、
セリフを覚えてしまったと言って、僕にそらで暗唱してくれた。
そんな何でもないシーン暗唱できてもなんの役にも立たないが、
彼女にとっては、留学先での数少ない娯楽の一つだったのだろう。
その思い出の「りぼん」は、彼女の高校時代の思い出とともに
実家の引き出しにでも入ってるのかと思ったら、
一年の留学を終えて日本に帰るとき、
何の躊躇もなく家のゴミ箱に捨ててきたという。
これから思う存分、新しいマンガが読めるのだと、
とても清々しい気分で。

今でも、その時期に聴いていた歌が頭の中で鳴り響く。
それは十代の多感な時期に聴いた歌だからだろうか。
それとも、数少ない歌を少しずつ大事に聴いたからだろうか。