5/31 タイトルは語る

坂口恭平という男がいる。
建築家であり思想家でありミュージシャンであり
新政府初代内閣総理大臣という肩書を持つ男。
今日本で一番、人の心を揺さぶる言葉を操れる人だと思う。
何ともあっぱれな人なんだけど、
この人の名言のひとつに、
「本は2,3ページしか読まない。
 もくじを読んで、内容は想像する」
というのがある。
書いてあることより想像したことの方がよい。
さすがだなと思う。

この人の話をすると長くなるので、もっと短い話を。
もくじというかタイトルを見ただけで、
中は読まなくてすみそうな本は確かにたくさんある。
「想像の共同体」とか「陰翳礼讃」とか。
読むんだけど、タイトルがすべてを語っている。
この「タイトルがすべてを物語っていて、
読まなくてもいいかなと思わせる本」は
たいてい新書にあふれている。

「人は見た目が9割(新潮新書)」
9割なんだよ?9割だよ。1割は違うんだよ。そういう事だよ。
「捨てられる銀行(講談社現代新書)」
捨てられるんだよ。捨てられるんだよ?大変な時代だよ。
「戦略がすべて(新潮新書)」
要は戦略なんだよ。最終的には、戦略なの。わかる?
「京都ぎらい(朝日新書)」
わかる。
「ハーバードで一番人気の国、日本(PHP新書)」
へえ、意外にね。そういう事もね、あるんだよ。意外にもね。
「語彙力こそが教養である(角川新書)」
語彙なんだよ。結局ね。結局のところ、語彙なんだよ。
「沈みゆく大国アメリカ(集英社新書)」
沈んじゃうんだから。急がないと、みんな沈むんだからね。
「何を捨て何を残すかで人生は決まる(青春新書)」
決まっちゃうんだから。決まっちゃうんだよ?
捨てるのも残すのも大変だよ。人生が決まっちゃうんだから。
捨てるかどうか悩んでる時間ももったいないよ。
はやくしないとアメリカ沈んじゃうんだから。
でも焦りすぎてもだめだよ。
戦略がね、すべてなんだから。