8/25 職人大国ニッポン

日本刀の鍔(つば)を美術館で眺めていた。
どれもこれも芸が細かい。
なんで職人ってのはこんなに細部にこだわれるんだろう。
この国の人は細工が得意なんだなあと改めて思う。

テレビではオリンピックを振り返っている。
100mを一番速く走ったジャマイカ人も、
重い砲丸を一番遠くに飛ばしたアメリカ人も、
細工が苦手そうな顔をしている。
「俺に細工は通用しないぜ」
そういう顔をしている。
そういう体をしている。
彼らの肉体に細工は必要ない。

アスリートに限らず、西洋の人達は、格好つけるとき
あまり、細工をしない。
服を着るというより、布を被っているというのが
しっくりくる時さえある。
ギリシャから続く肉体信仰は、細工を許さない。
服は、肉体を際だたせるためにあるのであって、
肉体を無くすためにあるのではない。

この国の新宿駅東口を歩くと、
色んな格好で色んな化粧をした女性達がいる。
男性みたいな格好、アニメキャラみたいな格好、
スポーティーな格好、ナチュラルな格好。
みんな、自分が一番魅力的に見える格好をよく知っている。
みんな、実に、芸が細かい。
生の肉体を隠して、細かい芸で細部を作り世界観を作りあげる
この国の女性は、皆、職人だ。
だとしたら、整形が大手を振るうお隣、韓国は、
日本より西洋的なのだろう。
「造形を変えてしまえばいい」という発想は、
ある意味「肉体派」だ。
日本の人は、造形はそのままに、筆で紅で布で、細工をする。
手をいれる。
やや整っていない造形であったとしても、
その造形に似合う化粧をして、髪型をして、服を着こなせば、
造形のディスアドバンテージなんてなかったことにできる。
素材に丁寧に手を入れる。
まさに職人技。
職人大国、ニッポン、バンザイ。