9/29 なにな そよな

LINEのスタンプを多用している。
日本人は、絵文字やスタンプを他の国の人より好んで使うと聞いたことがある。
わかる。
絵(絵文字やスタンプ)は、雰囲気だけをうまく伝えるので、
人とのコミュニケーションで、角がたたない。
なんとなく、その時の感情を伝えることができるし、
相手の言葉を正面から受け止めなくていい。
言葉ではっきり言わずに、なんとなく、あいまいに。
相手の言葉を正面から受け止めずに、受け流す。
関西弁でいうところの、「せやな」だ。
東京弁でいうところの「そうだね」でもある。

「来週は、絶対でかけようね」
「せやなぁ」

「さっきの料理、すごいおいしかったね」
「そうだね」

「私達ってけっこう相性いいよね」
「(ゆるキャラが親指をあげているポーズ)」

相手を否定していないが、全面的に肯定もしていない。
生返事というと聞こえが悪いが、うまく受け流している。
受け流す言葉っていい言葉だなあと僕は思っているが、
(北部)九州の方言には、これに対応する言葉がないように感じる。
そがんね。
そがんばい。
そがんたい。

少し強すぎる。
正面から受け止めすぎる。
なんだか、大陸風のごつさがあるなあと思う。
そうか。
受け流す言葉は、都会の言葉だ。
あれは、真正面から受け止めないコミュニケーションを
必要とする都会で育った言葉だ。
「千年の都」京都、「花の都」東京、「水の都」大阪。
「せやな」「そだね」「そやな」
そういえば、「そよな」「そよや」と詠う平安時代の歌「梁塵秘抄」も、
もっとも機微なコミュニケーションを必要とする、
当時の大都会、御所で編まれた歌だった。
ああいう音は、都会でのみ生まれるものだと僕は思うな。
「せやなぁ」

※梁塵秘抄 小柳

そよや こやなぎによな
 下がり 藤の花やな
  さきにをゑけれ ゑりな
 むつれたはぶれや
  うちなびきよな
   あをやなぎのや や
  いとぞ めでたきや
    なにな そよな