年が明けた。
おめでとうございます。
最近は、テレビでも大晦日イベントでも、
年越しカウントダウンというものをやっていて、
午前0時になった瞬間に「新年おめでとー」と騒いでいるが、
新年が今よりもっとめでたかった江戸時代には、
時計なんてものはなかったので、
新年は、寝て起きないとやってこないものだった。
年末も三が日も、テレビをつければ、
音楽番組とお笑い番組ばかりが目立つ。
今年はなんだかお笑い番組よりも音楽番組を見たい気分だったが、
それは個人的なことで、
お笑い番組を見たい人は今年も多くいたのだろう。
音楽はCDやストリーム配信など、
売り方によって好調不調の時期があるが、
お笑いはなぜか、数年に一度、
必ず、お笑いブームという大きな波がちゃんとくる。
これまでお笑いブームがどういう時期にきたのかは知らないが、
お笑いブームが来た時期は多分、
世間の人が、音楽よりも笑いを求めた時期なのだと思う。
音楽もお笑いも、人々の息抜きになるエンターテインメントだが、
音楽はお笑いに比べると”ウェット”なエンターテインメントで、
お笑いは、音楽よりは、”ドライ”なエンターテインメントだ。
音楽はメロディとリズムで人々の感性に訴えかける。
何度も繰り返し聞けるし、一緒に口ずさむこともできる。
アップテンポなナンバーであっても、メロウなナンバーであっても、
音で構成された音楽は、感性の”ウェット”な部分を刺激する。
それに対してお笑いは、言葉でもって、人の頭を刺激する。
基本的に何度も聞くものではなく、
間とテンポによって、その場限りの高揚を生む。
聞いている人に、言葉の意味を理解させ、息を吹き出させるお笑いは、
人の感性の”ドライ”な部分を刺激する。
だから、音と言葉(と視覚)を使う映画や演劇は、音楽とお笑いの間に位置するのだろうし、
お笑いの中でも、何度も繰り返し聞ける落語は、より音楽に近いお笑いなのだろう。
震災直後に、歌が必要とされ、お笑いが自粛されたように、
時期によって、人々に必要とされるエンターテインメントは変わる。
今年、僕がお笑い番組よりも歌番組をみたいなと思ったのは、
ただの個人的な感覚かもしれないが、
世間全体の感覚なのかもしれない。
そうだとしたら、これから世間は、より”ウェット”な方に流れていくのだ。
コメント
コメント一覧 (2件)
ある方に紹介されて拝読いたしました。
なかなか興味深いコラムですね!
返信おそくなりました。
ご覧いただきありがとうございます。
更新は遅くなっておりますが、書き続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。