ホスピタリティ

3日前から咳が止まらず
2日前から熱でうなされて、
昨日から寒気が引かなくなったから
しょうがなく、行きたくもない病院に行って、
「3日前から風邪っぽくて」としゃがれた声で言うと、
「風邪ですね」と、そっぽを向いた医者が返す。
「風邪ですかね?」と申告して、
「風邪ですね」と返すだけなら、僕でも言える。
その、後ろの額に飾ってる卒業証書の実力を見せろ、といいたい。

AI(人工知能)は、今後、人間の仕事を奪っていくとも、
新しい産業を作って雇用は増えるとも言われる。
どちらにせよ、今までの働き方が変わるのは間違いない。
AIが奪うであろう職種は一般の人が考えているよりも広く、
会計士、弁護士、税理士、薬剤師、
それに医者の領域も侵食されるらしい。
仕事がAIに置き換えられた後、
人間に残された作業は、主にコミュニケーションになる。
例えば薬剤師の仕事でいうと、
症状に合わせて適切な薬を提供するという能力は、
ある条件下で最も適切な判断は何かという能力なので、
人間よりもAIの方がうまくやれる。
ただ、AIは細かなコミュニケーションまではできないので、
薬剤師は、在宅介護が必要な人のもとに赴いて、
老人と話をする中で適切な薬を処方するなどの、
コミュニケーション重視の仕事にシフトするのだという。

これから人間に求められるのは、コミュニケーション。
それは、これからでなく今だって同じこと。
僕は、医者に「診て」もらいたいのだ。
こっちを見て、触って、親身になって症状を聞いてもらいたいだけなのだ。
自分が風邪だってことはわかっている。
症状を和らげるのは医者ではなく薬だということもわかっている。
それでも医者にかかるのは、安心したいからだ。
言葉の通じる「人間」を頼っているのだ。

でも、あれだな。

この医者には無理なんだろうな。
どうみても、惰性で仕事してきた人間の顔をしている。
その、後ろの額に飾ってある卒業証書をくれた学校では、
「ホスピタリティⅠ」とか「接客基礎Ⅱ」とかの授業はなかったんだろうね!

 

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