夏休みは、NHK第一ラジオで、
「子ども科学電話相談」が放送されている。
子どもの抱く科学の疑問に、それぞれの分野の専門家が答えるという番組。
ツイッター上でも大盛り上がりの、
大人が聞いても楽しい、科学ラジオ番組だ。
子どもから寄せられる疑問は毎回秀逸で、
「お茶碗のご飯よりおにぎりの方がおいしいのはどうしてですか?」とか
「空は、どの高さから空なんですか?」など、
素朴でストレートな質問が多い。
そういう子どもたちの質問に、
易しい言葉で答える専門科の先生がいたり、
子どもの知識を試すような先生がいたり、
聞きどころはたくあんあるけれど、
一番驚かされるのは、子どもの受け答えの明快さだったりする。
専門家「ハドロサウルスわかる?」
子ども「北海道の恐竜でしょ?」
専門家「アフリカって知ってる?」
子ども「知りません」
専門家「アフリカってところに猫の祖先がいたんだけど、
”祖先”ってわかるかな?」
子ども「わかりません」
子どもは、知ってることを「知ってる」といい、
知らないことを「知らない」と、はっきりいう。
大人になると、見栄だったり恥だったりで、
そういうことをはっきり言えなくなるけれど、
知らないことを「知らない」とはっきり言う人には、
教える方も、何を教えたらいいかはっきりする。
変にゴニョゴニョごまかさず、「知りません」と言える人には、
情報が集まるのだ。
”知ったか”をしていてはいけないと、
我が身を振り返る。
番組では、子どもが素直に知らないことを「知らない」と口にするように、
質問に答える専門家の先生たちも、
わからないことを「わからない」と言う。
今の科学ではわかっていないこと、
時代がさかのぼりすぎて現代では検証できないことを、
きちんと、「わかっていません」と、子どもたちに説明する。
「子ども科学電話相談」が楽しいのは、
子どもと大人の会話が、「正直者たちのカンバセーション(会話)」だからだろう。
子ども側も大人側も、会話をごまかそうとしていない。
ツイッターでは、多くの人がこの番組のことをツイートしているが、
中には好きすぎて、
『国会中継のせいで、「子ども科学電話相談」の時間が短縮される』と、
国会中継に怒っている人たちもいる。
「正直者たちのカンバセーション」を聞いている人にとっては、
国会で繰り広げられる、「不正直者たちのカンバセーション」は、
聞くに耐えないのだろうと、心中、お察しする。
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