鉛筆の復権希望

①鉛筆を使う人が少なくなるにつれて、
鉛筆を耳の後ろに挟んでいるおじさんを見なくなった。
大工さんとか工務店の人とか、
外で働いている人は、
たいてい鉛筆を耳の後ろに挟んでいたのに、
もう、誰も挟んでいない。
あれ、シャーペンじゃ収まりが悪いんだろうけど、
挟んでいてもらわないと、
誰が大工さんなのか見た目でわからないから、困る。

②鉛筆を使う人が少なくなるにつれて、
鉛筆キャップも見なくなった。
鉛筆を筆箱に入れてると、筆箱の中がすぐに黒くなったが、
鉛筆キャップをしている人の筆箱を見ると、全然汚くなかった。
鉛筆キャップを使うのは、たいていいいとこの女子で、
たいてい、字がうまかった。
多分、当時、鉛筆キャップを使っていたような女子達は、
今では、充電器をちゃんとポーチに入れて持ち歩くような女性になっているに違いない。
三つ子の魂なんちゃら、だ。

③鉛筆を使う人が少なくなるにつれて、
鉛筆を鼻の下に挟んでいる人も見なくなった。
鉛筆を鼻の下に挟み、口をとがらせて「むぅ」と言ってれば、
見ている人が「ああ、今、考え中なんだな」とわかったのに、
今、誰も、挟んでいない。
あれ、ちゃんと挟んでもらわないと、
話しかけていいかどうか迷ってしまう。

④鉛筆を使う人が少なくなるにつれて、
アナログを理解する機会が減った。
鉛筆を鉛筆削りで削ると、鉛筆は徐々に短くなって、
しまいにはなくなってしまうが、
シャーペンは、芯ケースに替えがある限り書けて、
替えがなくなると、書けなくなる。
長いものがだんだん短くなって書けなくなる。
これは、アナログ。
替えの芯があれば書けて、なければ書けない。
これが、デジタル(の考え方)。
鉛筆とシャーペンの違いで、
アナログとデジタルの考え方の違いを教えてたのに、
皆が、鉛筆から遠ざかると、比喩がピンとこなくなる。
①〜④より、鉛筆の復権、希望!

 

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